eSportsの市場は今後どう動く?
世界のeSports市場の動向
2020年における世界のeSports市場の売上は約1,165億円にも上り、2023年に約1,758億円を突破すると予想されています。これは、ラグビーなど従来のスポーツよりも大きな利益を出していることを意味します。なお、2020年の全世界の売り上げの35%は中国によるものといわれています。
新型コロナウイルスの流行で従来のスポーツやイベントなどの中止が相次ぎ「お家時間」が増えたことで、eSports人口・ファンは一層増加しました。プロのeSports選手の活躍により、多くのファンを集め大規模なイベントも盛んに行われています。また、2020年には、大阪なおみ選手など多くのプロスポーツ選手がeSportsに参入したことでも、大きな注目を集めました。
2020年での事業別売上は、最も多いのが**スポンサーシップで約676億円(6.15億ドル)**です。次いで、メディアライツが約194億円(1.76億ドル)を売り上げています。
日本のeSports市場の動向
「eSports元年」とされる2018~2019年には、日本でeSports市場が大きく拡大しました。市場拡大の背景には、大手企業の参入が理由とされています。2019年には61.2億円まで市場が広がり、2020~2023年には約26%の年間平均成長率が見込まれています。
次世代モバイル通信と呼ばれる「5G」が開始となることや、スマートフォンが国民に普及している背景も、日本でのeSports市場を強く後押しするといわれています。
日本における2019年時点での収益項目別割合では**「スポンサー」の割合が75.7%**と大きいことが特徴的です。eSportsのプロチームが続々と発足していることや、eSportsの大会が盛んに開催されるようになったことも、スポンサーを名乗り出る企業が増えた理由だとされています。なお、2019年度のeSportsファンは、日本国内で483万人を超えています。
日本のeSports市場が遅れている理由とは?
日本国内と全世界とを比較すると、圧倒的に日本でのeSportsの市場は遅れをみせています。その理由として考えられるのが、根付いているゲーム文化の違いです。アメリカで誕生したeSportsは、パソコンゲームが一般的です。それに対し、日本に根付いてきたゲーム文化は、スーパーファミコンとゲームセンターに二分化していました。
日本人はこのようなゲーム機器を長く好んできた傾向があり、パソコンゲームの普及が遅れたといわれています。つまり、パソコン回線でゲーム相手と繋がる必要性がなかったため、パソコンゲームは必要とされなかったともいえます。しかし、新型コロナウイルスの流行により「お家時間」が増えたことで、仲間と気軽に通話してゲームを楽しめるeSportsは多くの世代に浸透するようになりました。
eSports市場が拡大することは何に影響を与える?
eSports市場が拡大し日本でも更なる認知が進むことで、若者のなかにeSports選手を目指す人も増えることが予想されます。遊びの延長線ではなく「将来の夢」として、明確にイメージしeSportsに真摯に取り組むようになるケースもあります。
それまで「ゲームは勉強の妨げになる」とマイナスイメージを持っていた親世代にも、eSportsが広まることで応援する姿勢になることもあるでしょう。eSportsで高度なプレーをすることで、プロチームから声が掛かる場合もあります。近年では多くの企業がeSportsのスポンサーに乗り出していますが、eSports業界やイベント運営などの人材が増えていくことが求められています。
eSportsが公式で「スポーツである」と認められているアメリカでは、eSportsのプロ選手の認知度も高くサインを求められることも少なくありません。日本でもeSportsの地位が確立することで、より広い世代から認められるスポーツとなるでしょう。大規模なeSportsの大会では優勝賞金が1億円を超えるケースもあり、若くして一攫千金できる可能性もある市場だといえます。
まとめ
eSports市場は、右肩上がりに拡大を続けていくことが予想されています。今後、eSportsに参入するなら「何をするために」eSportsをするのかを明確にしてからスタートしたいですね。大会やプロeSports選手を目指すなら、eSports向けのスクールなどの入会も検討してみると良いでしょう。
eSportsには豊富なタイトルのなかから好みのものを選べることも魅力であるため、始めは多くのカテゴリから複数のタイトルを試してみても良いでしょう。自分の強みを活かせるeSportsで、楽しみながら上達していきましょう!